Column

W-EVOコラム「チームガール日米比較」

その①自分に合う集中力の高め方

先に行われた慶応ラクロスのアメリカ遠征に同行し、気づいたことがある。それは、試合前のメンタルの作り方が、日本とアメリカでは大きく違うということ。

アメリカの大学のチームガールたちの様子には驚かされる。彼女達は試合前、ロッカールーム中に大音量で音楽を響かせ、みんなが音楽に合わせてノリノリで踊るのが習慣だという。そして、そのテンションから集中力を一気に高める。ロッカールームではリラックスしていた表情は引き締まり、一気にスイッチを入れ、試合に入る。気持ちの切り替えが実に上手だ。そして、リラックスすることでいいパフォーマンスを引き出している。

では、日本はどうだろう。

トップレベルで経験のある選手たちは「「試合前にテンションを上げるという発想がそもそも日本にはない。ロッカールームでは静かにしなさいという規制は特にないけれど、みんな“話さないオーラ”を自然と出している」と口をそろえる。それは、中学校、高校、大学、社会人まで、どのカテゴリーでも一緒。伝統を重んじ、勤勉。何事も真面目に取り組むのが日本人。成功体験に基づいたやり方をいったん構築すると、それを崩すことを嫌う傾向があるのかも…。

ある、日本一を目指す団体競技の実業団チームに属していた元選手からは、こんな話を聞いた。「試合前に他のことをすると、自分のルーティーンがずれてしまう気がする。だから現役時代は、基本的に目の前の試合に集中して過ごしていました。ロッカールームでは最初は各個人で集中力を高め、試合30分前にミーティング。そこで「 私たちは強い!勝つ!』と声ががらがらになるぐらい叫んで、テンションを上げて試合会場に入る。

そして、盛り上がる会場のテンションに、自分たちの気持ちを合わせます。試合では、最初の入り方が勝敗を大きく左右します。そういう意味で、このルーティーンはやっていてよかった」

最初は個々で自らを高め、最後にチーム全体でテンションを最高潮にもっていく。それにより、集中力を切らすことなく、いいパフォーマンスを発揮できるわけだ。

一方、競技の中で団体と個人の違いもある。体操など個人競技は、試合3時間前に会場入りし、全員でのウォーミングアップからスタート。その後は全力で本番さながらの練習を行い、疲れてもう動けない極限の一歩手前まで追い込んだ上で、本番に臨むという。

その理由を、ある新体操経験者はこう語る。
「目的は、会場の雰囲気やプレッシャーに飲まれて、本来の演技ができなくなることを防ぐためだと思います。心身を追い込んだ状態で試合に臨めば、よけいなことを考える余裕がなくなるから…」
日米の違いはいわば「ハイテンションVS 精神統一」。どちらがいいとは言えないが、国や競技、団体、個人によってそれぞれ違いがあり、それぞれのよさががある。

自分に合う集中力の高め方を探してみよう。あなたには、どの方法が合っている?

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