Column

原綾子コラム「矢印はいつも自分」

2012年ミス・ユニバース日本代表・原綾子さん。彼女は10代のころにテニスで鍛え上げた美しくしなやかな身体を武器に、ミス・ユニバース世界大会で戦った経験をもつTHE ATHLETIC WOMAN。世界の舞台で知ったグローバル基準での美しさ、そして日本の女性達に足りないものについて、彼女ならではの目線で語ってもらう。今回は「トレーニング」について。

トレーニングに対する考え方

 私は「身体を鍛える=メンタルを鍛える」ことだと思っています。そして、身体を「主体的」に鍛えるのか「受動的」に鍛えるのかによって、メンタルの方向性は大きく変わってくる、とも感じています。

 私は中学~高校でテニスをやってきたチームガールでした。当時を思い返しながら、お話をしたいと思います。

 中学3年の冬休みから、すでに入学する予定の高校の練習に参加していました。そのころの私は、ポニーテールがトレードマーク。でも先輩方は全員ベリーショートで、 男性のような凛々しい雰囲気を醸し出していました。女性なのに女性を感じず、とても独特。一人一人の見分けがつかないほど、決まりきった外見だったことがとても衝撃的でした。今でもはっきりと覚えています。

 入学した時に掲げた「インターハイ出場」という目標は、高校3年の夏に達成しました。でも、 決して楽ではない3年間を過ごしました。というのも、ある人の存在があったからです。

 私のメンタルを鍛えて下さったその方は、まさに「鬼コーチ」。 試合で負ければ「髪を切ってこい!」が口癖で、切る髪もないほど短髪になっても、その言葉に容赦はありません。

 そして海外も含めた遠征先では、練習試合が終わるとすぐにこう言われます。

「次の試合の出番まで ずっと腹筋をしていろ!」
「スクワット2000回やってこい!」

 とにかく、スパルタでした。1試合目が終わって腹筋をして、2試合目を終えたら、今度はスクワット2000回、そして3試合目が終わったら…と、1日が終わるまでずっと続きます。この時は「どうやってサボろうか?」と考えざるを得ませんでした。つらいつらいつらい、と感じてばかりだったのを思い出します。

 そんな高校生活があったので、部活を引退した後は、そのつらかったことを再びやりたい気持ちなど、生まれるわけがありません。そのため「トレーニングはただつらいもの」という思い込みを拭い去れずにいました。

 そんな時に、ミス・ユニバースという目標が生まれます。 世界のステージで自分を魅せるのは、もちろん、身体を鍛えている女性達ばかり。見せても恥ずかしくないどころか、自分の身体に大きな自信を持っていて「絶対に自分が世界一だ」と信じている人達が、100名近く集まる世界です。そこに一歩踏み込んだことをキッカケに、私もワークアウトを再開させました。

 この時、チームガールだったことの自分とは徹底的な違いがあることがわかりました。 それは、主体的にワークアウトを進めていったことです。

 もちろん、つらさはあるのですが、主体的に動くことができると、つらさよりも清々しさや達成感が上回ります。

 自分の「なりたい身体」を明確にし、常にイメージするため、携帯電話の待ち受け画像を変えて、毎日 全身を姿見でチェック。すると、理想のボディと今の自分との差を埋めるための具体的なプロセスが見えてきます。そして高校時代の単につらいだけの思い出とは打って変わり、ワークアウトをしない日はソワソワしてしまうほど、身体を鍛えることが生活の一部に組み込まれていきました。

 そんな日々を重ねていくと、身体のラインが変わるのはもちろん、自分の未来をポジティブに考えられるようになります。「思い描いた自分になろう!」「実現したいことを身近に感じよう!」「達成するために目標を掲げよう!」というように、前向きに考えることができた。そんな風に、身体を鍛えることがメンタルに与える影響はかなり大きいというのを、あらためて実感しています。

 心と身体は切っても切り離せないもの。そのどちらも鍛えられるのが、日々のワークアウトだということを、今、強く感じています。

 最後に一つ質問です。

 あなたは胸を張って「私ってかっこいい!」と口に出すことができますか?

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