Interview

なでしこジャパン・宇津木瑠美 「グラウンドでは闘志を胸に。グラウンドを出たら女性を楽しむ」(Part.2)

サッカー女子日本代表・宇津木瑠美インタビュー(Part.2)

9日に行われたサッカー女子W杯初戦(対スイス)を見事、勝利で飾ったなでしこジャパン。アンダーアーマー/DNS womanの契約アスリート、宇津木瑠美選手はその一戦で、左サイドバックとしてフル出場。何度もサイドからチャンスメークするなど存在感を見せました。13日のカメルーン戦でも期待がかかる宇津木選手のインタビュー(Part.2)をお送りします。

筋肉を鍛える=自分を守ってくれる。

――ここからは、宇津木選手自身が世界と戦う身体作りにどのように取り組まれているのかをお聞きします。主にスピードとフィジカルが求められるポジションでプレーされていますが「筋肉をつけるとスピードが落ちる」など、筋力トレーニングを間違ったイメージでとらえる風潮も決してなくはありません。宇津木選手自身は、筋肉を鍛える重要性をどう考えていますか?

「海外のチームでも代表でも、試合では日本人同士でサッカーはしません。そのため、身体能力の差というものが常にある中で私達は戦わなければいけません。世界と戦うには、日本人は体重が軽すぎるのが現状です。中でも体幹や足にしっかりとした筋力がないと、相手と対峙した際に簡単に吹き飛ばされてしまう。

また、試合の後半などでつらい時、走れない時、筋肉は自分の身体を守ってくれる。だから、筋肉を鍛えるのはすごく大切なこと。必要な筋肉をしっかりと付けることに取り組んでいかないといけない。筋肉を付けることは、プレーにいろいろなメリットをもたらすと思うから」

理想は全体にバランスよく筋肉がついた身体

――「筋肉を大きくしたい」という気持ちはありますか?
「大きくしたいというよりは、使えるパーセンテージを増やしたい。サッカーなどのスポーツにおいて、人間は持っている筋力のうち、実際はそれよりも少ない%しか使えていないと聞きます。だから、私はその使える割合を増やしたい。そのためにも、もっとフィジカルの強化を図るべきだと思います。

 私自身、海外でプレーして思うようにいかず、『テクニックが通用しない理由は何なのか?』と考えたことがありました。そこで最終的にたどり着いた答えは、テクニックがないんじゃなくて、パフォーマンスを出せるだけの耐久性がない、ということでした。相手のプレッシャーに負けてしまうのはテクニックがないんじゃなくて、身体そのものが弱いから。結局、相手を抑えるだけの筋力がなかったということ。

 当時『ボールさえ持たせてもらえれば、絶対、他の選手よりも上手なのに』と思うことが何度もありました。でも、ボールを触らなかったら、その上手さは発揮できない。つまり自らボールを奪い、しっかりキープできる選手にならないと、味方からのパスさえももらえないんです。『ボールを持ってないから思うようにプレーできない』というのは、今思うと言い訳だったんですね。身体をもっと強くしなければいけない、と気づかされました」

――所属チームでは筋力トレーニングは行われているのですか?

「チームにいいトレーナーがいて筋トレのメニューを的確に作ってくれるので、相談しながら取り組んでいます。アジア人は体が細く、欧州の選手と比べると体格の違いがあります。だからフィジカルトレーニングは周りの何倍もやらなくてはいけません。筋肉をつけることを、常に意識し続ける必要があります」

――宇津木選手が理想とするのは、どのような身体なのでしょうか?

「欧米のサッカー選手は、もちろん足に筋肉は付いているのですが、全体的に偏りがなくてバランスがいい。それはすごく理想的ですね。日本人はサッカーだけをしていると、足だけ、腕だけといったように部分的に筋肉が付いてしまいがち。筋力も力の使い方も、一部分に偏るのはケガの原因になる。足を使うサッカー選手だからといって、足の筋力だけに頼っていてはいけないんです。そういう意味でも、欧米のサッカー選手のように、首や背中など全身にバランスよく筋肉が付いた身体は理想的です」

(Part.3へ続く)
最終回となるPart3では、世界を舞台に戦う女子アスリートとして、サッカーと美へのこだわりや、今後の目標について語っていただきました。

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