Interview

アルペンスノーボーダー・竹内智香「時代の常識にとらわれず、進化し続けたい。」(Part.2)

アルペンスノーボーダー・竹内智香選手インタビュー(Part.2)

メダリストとして表彰台に上がった者だけが、見ることのできる景色。それを一度でも見たアスリートは、再びその感覚を得るため限界に挑み続ける。そんなアスリートにふさわしい「理想の身体」とは? アンダーアーマー/DNS woman 契約アスリートで女子スノーボード・ソチ五輪銀メダリストの竹内智香選手のインタビュー第2弾。

■本当にきれいなラインは、ただ細いだけの身体には存在しない。

――竹内選手にとっての理想の身体とは、どのようなものですか。

「必要最低限の筋肉がしっかりとついていて、余分なものがない身体ですね。そういう身体は、本当にきれいですよね。ヨーロッパの男性はそういう健康的な女性を好むといわれています。欧米には全般的にスポーツをする女性が多いですが、その背景には健康的=美しいという価値観がある。日本よりもヨーロッパの人の方が、スポーツで作られる筋肉や身体のフォルムを身近に感じています。

でも日本には、細い女性はたくさんいるけれど、彼女達は決して健康的とはいえない。美しいかというと、それもいえない。本当にきれいな身体のラインは、ただ細いだけの身体には生まれない。必要最低限の筋肉がしっかりとついた身体こそ、魅力的。私はそう思います。

 世界で活躍するアスリートには、筋肉から発せられる自然な美しさがあり、その姿を見た人が『スポーツっていいな』と思えるような強い影響力がある。それが結局は、その競技に興味を持ってもらうための第一歩にもなる、と思っています」


■次なる挑戦は、女子の枠を超えること。

――竹内選手も今シーズン、筋力アップのためのトレーニングに取り組まれています。その心境に至った理由を教えていただけますか。

「あえて自分で言いますが、テクニックにはすごく自信があります。もうコーチが直す所はない、というぐらいのレベルにあると思っています。テクニックにはそれだけこだわりを持っているし、ここまでやってきた自負もある。そして、その自負を支えにソチでメダルを獲りました。

その後、次のステップを考えた時、ふと思ったんです。『男子にできて女子にできないテクニックって何だろう』『女子という枠組みを超えたら、どんな景色が見えるんだろう』って。その答えを突き詰めていくと、自分がチャレンジしたい滑りは今よりもパワーがないとできない、ということがはっきりしました」

――具体的に、どのような場面で筋肉の必要性を感じるのでしょう。そしてそのパワーを、どのように身につけていこうとお考えですか?

「スノーボードは低い姿勢で、ポジションをずっとキープしたまま滑ります。そういう低姿勢でもパワーを板に伝えられる身体がほしいんです。そのためには体幹や足など、全身にバランスよく筋肉をつけなくてはならない。

ただし筋肉をつけるといっても、ウエイトトレーニングでただムキムキになればそれでいい、というわけではありません。私の競技は、雪上で重力を上手く使いながら滑り、速さを競うスポーツ。ほしいのは、重力がかかっている中で、瞬発的に板を動かすパワーです。だから重力に対抗できる、瞬発力に富んだ身体を作りたいと思っています。

そのためには、分野別にアプローチをしていくことが近道になると思っています。今は、各分野のプロフェッショナルがいます。テクニックのコーチ、身体のケアならばフィジオ、筋力トレーニングも専門のトレーナーがいる。そういった方々に、まずは自分の滑りのイメージを伝える。そして、それぞれの方の意見を総合的に取り入れ、そこから理想の滑りを追求していく。自分のイメージをそれぞれのプロと共有し、任せて、作る。それを繰り返していけば、自ずと結果につながると思っています」

――ここまでの取り組みでの手応えはいかがですか。

「私の中では、昨年1年間取り組んできたことが、今年の秋ごろできるようになれば、と思っていたんです。でもこの春すでに、十分な手ごたえを感じられるようになりました。予定よりも早く成果を感じています」

(Part.3へ続く)

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