Interview

プロテニスプレーヤー・澤柳璃子「今の私がいる理由。 揺るぎない目標とライバルの存在」(Part.2)

プロテニスプレーヤー・澤柳璃子インタビュー(Part.2)

世界を目指すトップアスリートは予見できない次元の中、常に戦い続け、時には勝者、時には敗者となる。頂に立ち、これまで見ることのなかった景色を見ることもあれば、夢破れ、悔しさに包まれることもある。そんな世界に身を置くアスリートの一人であるプロテニスプレーヤーで、アンダーアーマー/DNS womanの契約アスリート、澤柳璃子選手のインタビュー。第2弾では、夢を掴むための取り組みを聞きました。

目指すは360度、どこへでも動ける身体。

――先日の全英オープンでは、残念ながら予選会で敗退という結果となりました。見えてきた課題は何だったのでしょう。海外の選手との差は感じましたか?

「海外の選手のほとんどは身体が大きく、その分、パワーをすごく感じるといいますか…、サーブがすごく速くて安定していて、ボールにもスピードがある。私はちょっと背が小さい分、サーブのスピードがなかなか出にくい。そういう部分の差を感じました。

 今後は、ボールのコントロールをよくしたり、サーブ力を上げることで互角に戦えるようになりたい。相手の速いボールに対しても俊敏な動きを心がけて、どんどん食らいついていく。360度、どこにでも動ける身体を作っていきたいと思いました」

――そのためには、身体作りにどう取り組みますか?

「今後も大会や試合は続きます。連戦があると、トレーニングに長期間しっかりと専念して追い込むのは難しい。でもテニスに必要なコア(体幹)の筋肉だけは、遠征中であっても自分で時間を見つけて、10分でも15分でも刺激を入れて鍛えたいと思っています。

 これは今に限らず、ずっと取り組んでいること。少しの時間だけでも筋肉に刺激を与えて強化していると、テニスのパフォーマンスへの影響力がまったく違う。だから、それだけは必ずやるようにしています。テニスは全身を使うスポーツですから、体の中心となる背中、お腹、お尻周りを重点的に鍛えています。中でも重要なのがお尻周り。テニスは相手と打ち合いになった際、左右に振られて揺さぶりをかけられたりすることもあれば、自分も同様に仕掛けたりします。相手に揺さぶられた時、お尻部分の筋肉がしっかりと安定していないと動作がぶれて、対応が遅れてしまうんです。

 下半身の動きがずれると必然的に上半身もずれる。ゆえに、お尻周りが不安定だと大きなミスにつながるため、しっかりと鍛えておかないといけません。そこは結構、やりますね」

――「筋肉をつけると瞬発力やスピードが落ちる」という間違った考えを信じて、筋トレを躊躇するアスリートの方もいる、という話を聞きます。澤柳選手は、筋肉をつけることにマイナスなイメージは持っていますか?

「それはありません。でも、筋肉をつけすぎるのはいいことばかりではない、とも思います。ですから、トレーナーさんと相談しながら筋力トレーニングを行っています。スクワットなどもやっていますが、ジャンプ系やアジリティ系などの動くトレーニングも取り入れ、動きながら筋肉をつけていくのが今のスタイルですね」

理想は”持久力をもたらす"筋肉。

――澤柳選手が理想としているのは、どんな筋肉ですか。

「テニスは人によってプレースタイルが違うので、それぞれに理想があると思います。私はパワーよりも、しっかりと動けることを重視しています。柔軟性を持ちながらもしっかりと動いてくれて、持続性のある筋肉をつけていけたらと思いますね。

 私もそうですが、日本人選手は身体が海外の選手と比べるとどうしても小さい。ですから、パワー勝負では難しい部分がある。相手のパワーに対抗するには、とにかく動き続ける持久力が大事。日本人はパワーをつけることに加え、しっかりと動ける身体作りを目指すことが重要かもしれません」

――サプリメントの摂取は行っていますか?

「練習と試合の前には必ず集中力を持続させるサプリメント、BCAAを摂っています。試合後は基本的に食事で栄養素を摂りますが、疲労回復が早まるようにと、良質のタンパク質が含まれたプロテインを摂っています。日本にいる時には食事で必要な栄誉素を補えますが、テニスは海外での試合も多く、海外ではなかなかバランスよく栄養が摂れなかったりする。そういう時はサプリメントに助けてもらっています」

――世界で戦うための身体作りに、トレーニング面と食事面からしっかりとアプローチしています。

「やはりテニスの動作でよく使う腕、脚にはしっかりとした筋肉がついてきているのは感じます。表立って目立つことをするより、誰も見ていない影で、こつこつと努力をするのが好き。筋力トレーニングで努力を積み重ねることや、サプリメントを習慣的に摂ることは性格的にも合っている。それが結果として、持久力ある身体作りへとつながっているのだと思います」

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