Interview

「チームや個人の目標を達成するために、一年後、三か月後、明日の自分がどうあるべきか」 宮元美智子選手 (WJBL バスケットボール選手)

バスケットボール女子日本リーグ機構(WJBL)に所属し、 三菱電機コアラーズでは昨シーズンキャプテンを務めた宮元美智子選手。
二人の姉の影響で小学校からバスケットボールを始め、高校はバスケットボールの名門として知られる岐阜女子高校へ進学。
2013年より日本代表に選出され、43年ぶりとなるアジア選手権での優勝にも貢献するなど大活躍中の日本を代表するシューター、宮元選手にお話をうかがいました。

「WJBLの選手を目指してきたわけではない。それまでの結果の一つとして、今がある」

――――バスケットボール選手になりたい、という夢を抱くチームガールは大勢いると思いますが、WJBLは狭き門というイメージがあります。宮元選手はどのようにしてWJBLに入ったのでしょうか?

高校の先輩がWJBLに進まれたのを見て、純粋にいいなと思って以来、なんとなく夢の舞台ではありました。
でも高校3年間は、WJBLを目指して、という深い考えはなく、自分ができない目の前の課題をできるようになることだけが目標でした。先生に教えてもらうことをただがむしゃらにやっていただけです。目先の目標をかなえるために練習して、練習して、練習して・・・。そうしたところ、チームの方から声をかけていただきました。WJBLを意識したのもその時が初めてです。バスケを始めてから中学まで、秀でた成績を残せたわけでもなかったので、まさか自分がWJBLに入れるとは思ってもみなかったです。チャンスは誰にでも訪れるんだ、と思いました。それまでがんばった結果の一つとして、今があるのかなと思っています。

――――実際WJBLに入ってみて、どのようなことを感じましたか?

いろいろな面で、学生と社会人の差を感じました。自分の身体も作れていなかったですし、スピードも当たりの強さも技術も、全然違いました。
同時に、社会人としての責任のようなものも感じましたね。学生のときは趣味の延長のようなものでしたけど、社会人となると自覚と責任が必要になり、気が引き締まりました。


――――高校から寮生活を経験されましたが、どのような思い出ですか?

寮生活は本当に楽しかったですね。練習中やコートの上ではみんなきちっとしていますけど、私生活に戻ると、上下関係含めてラフな感じでした。とはいえ、お風呂やトイレ、洗濯機など共用のものは、なるべく率先して掃除するようにしていました。また、普段からコミュニケーションをとることで、お互いの性格を知ることができるのもいいですね。いいところ、弱いところなど少しでも知っておくことでコートにもつながると思いますし、バスケットを離れてもみんなとワイワイやって、そういう部分でもチームワークを結束していける良い場だと感じました。


――――三菱電機コアラーズでは前シーズンまでキャプテンとしての重責も背負っていました。「一人の選手」から「キャプテン」になったことで、自分に何か変化はありましたか?

チームを引っ張ろうという気持ちは確実に強くなりました。そして、チームの雰囲気や、個々の選手の調子の善し悪しをすごく考えるようになりました。私がキャプテンになったときはチームの年齢も若く、調子のいいときはいいんですが、悪くなったときに上手に切り替えることができなくて。自分がどう行動すべきなのか日々勉強しながらでしたが、言葉で伝えるのは難しいなと思っていて、次第にプレーで引っ張るようになりました。


――――3Pシュートを高確率で決める宮元選手ですが、シュートが入らない、といった不調の時はありますか? また、そのときはどうやって立ち直りますか?

昔は調子の波があったので、それをなくす努力をしてきました。もし不調になってしまったら、当たり前のことをコートに出たら行います。例えば、一番声を出す。リバウンドやルーズボールの処理など。難しいことではなくて、バスケットの基本に戻って、自分にできることをコツコツと行い、リズムを取り戻していきます。私が沈んでしまうとチームも上手くいかなくなってしまうので、波のないプレーを心掛けています。


――――2013年から日本代表にも選ばれ、大活躍をされています。代表としての2年目を迎えた現在の心境はいかがですか?

初選出された昨年は、代表の仲間入りをしても知らないことが多く、何をするにしても周りの選手を見ながらやっていました。ついていく、という感じだったんですが、今年は2年目になるので、チームのみんなを引っ張っていけるように活動していきたいと思っています。

「シュートが決められて嬉しい、みんなと試合して楽しい、という気持ちを今も大事にしている」

――――バスケットボール選手としての強くあるためには何が必要で、そのためにどんなことをされていますか?

何事もあきらめないで続けることです。
調子がいいときもあれば、悪いときもあるし、調子がよくても結果が出ないときもあります。そういうときはあきらめるのではなく、辛抱だと思っています。チームや個人の目標を達成するために、先を見据えて三か月後や一年後、もしくは明日の自分がどうあるべきかを考えるようにしています。


――――話は変わって、恋愛や結婚願望はありますか?

あるかないかで言ったら「ある」のですが、今どれくらい考えているかというと、あんまり考えていないですね。今はバスケット一筋です。学生の頃は漠然と二十代前半とか、母が結婚した年には自分も結婚するんだろうな…と思っていたんですけど(笑)


――――バスケットボールのことを忘れたり、あるいはアスリートを離れて「一人の女性」になることはありますか?

バスケットを忘れることは・・・うーん・・・ないですね。あ、でも買い物をしているときなんかは忘れているかも(笑)
シーズン中は規定でネイルアートなどができないんです。でもオフシーズンに入ったら、1週間くらいだけですけど、やってみようかな、とは思いますね。
ちなみに、髪の毛は高校生までずっと短かったんです。なので、単純に伸ばしたいなと思って伸ばしただけです。でもボブくらいの長さだと逆に邪魔なんですよ。長くても、しばっていれば邪魔にならないので。


――――若い世代へのメッセージをお願いいたします。

私自身、バスケットを始めた頃の、シュート一本決められて嬉しいとか、みんなと試合やって楽しいという気持ちがあって、今につながっています。
バスケットを始めた当時の気持ちを忘れず、試合で勝ってうれしい、負けてくやしい、など仲間と一緒にいろいろ経験して、「楽しむ」という思いを持ってやってもらいたいなと思います。


親元を離れて高校から寮生活を送るときも、チームからスカウトされてWJBLの道を選んだときも、迷いなく、やりたいことにまっすぐ進んできたという宮元選手。
自信を振りまくのでもなく、謙遜しすぎるのでもなく、一つひとつ、言葉を選びながら丁寧に答えてくださる姿から、アスリートとしての誠実な生き方や芯の強さが伝わってきました。
「一年後や二年後など、この先どうあるために、今どうあるべきか考える」一方で、「終わりのことはまだ考えていない」。
それはきっと、自分にはまだまだできることがあるから。それ以上に、もっともっとバスケットがしたいから…。
今後の活躍に大きな伸びしろを感じさせてくれる宮元選手から目が離せません。

1
TOP